上唇小帯付着異常はどうやって治す?
2017.04.09
院長です。
上唇をめくると中心に筋があると思います。それが上唇小帯(じょうしんしょうたい)です。
お子様の歯科検診で「上唇小帯の位置が高く、将来の歯並びに影響するかもしれない」と上唇小帯付着異常を指摘されて心配になっている親御さんがいらっしゃいます。
【成長段階では経過観察も】
この上唇小帯が歯ぐきの頂点に近いと、将来永久歯の歯並びで正中(前歯の真ん中)に隙間ができてしまう場合があります。
小帯が左右の歯の間に割り込みお互いの接触を阻むのです。もちろん隙間があれば見た目やかみ合わせに影響が出てくる場合もあります。
乳幼児の健診で指摘されることが多いのですが、実際は成長とともに自然な位置に小帯が移動することも珍しくはありません。子供のころは顎堤(歯の生えている骨の高さ)が低いため、写真のように小帯が高い位置にあるように見えてしまいます。成長とともに顎堤も高くなり小帯は正常な位置に収まることも良くあります。
また、歯磨き中に誤って切れて正常の長さになることもよくあるので、経過観察をすることもよくあります。
【切除する?しない?】
前歯の永久歯が生えてきて、明らかに小帯が永久歯の正中離開(せいちゅうりかい)を起こすまたは予想される場合には、切除することもあります。通常はメスで切除したり、レーザーを使う場合もあります。切除後は傷になりますが、7日から10日くらいで通常の生活に使用できるようになります。
実際成人の永久歯列を今まで何人も見てきていますが、上唇小帯異常が原因で正中離解を起こしている方はあまり見かけません。高く付着していても成長に合わせて下がっていく、あるいは途中で切れてしまうのではと思われます。
お子様は毎日成長しています。上唇小帯もその一部です。この発育の時期は大人になる下準備ですのでバランスが悪く、上唇小帯に限らず、様々な部位である程度の不具合は出てきます。勿論将来的にわたって治した方がよい事例もありますが、実際は経過観察によって正常になることも多いのも事実です。
神奈川県大和市柳橋の歯科医院 こころ歯科大和クリニックでは上唇小帯の検査も行っています。