歯科で使うドリルの種類や消毒(滅菌)はどうしてるの?
2017.05.02
院長です。
自分が治療されているわけではないのに、歯を削るあの「キィィィィィーーン」って音が嫌な方、結構いらっしゃると思います。
また、時には骨まで響くような強い「ゴリゴリ」した振動を経験された方も多いと思います。なんであんな嫌な音や振動があるのか、先生はどんな感じで歯を削っているのか知りたくありませんか?
また、最近の新聞やネットニュースでは、ドリルの消毒問題に関心が高まっています。歯科のドリルってどんなものなの?から、当医院のドリルの気になる消毒(滅菌)をご紹介します。
【ドリルの種類は?】
歯科ではドリルのことをハンドピースと言います。歯科医院によって違いはありますが、2~3種類のドリルを使い分けています。日本では一般的にエアタービンハンドピースとコントラアングルハンドピースを使用するところが多いです。先生によってはエアタービンハンドピースの代わりに5倍速コントラアングルハンドピースを使用する場合もあります。この辺りは先生の好みや考え方の違いにより異なります。
※ハンドピースにはさらに細かな仕様がありますが、今回は一般的な形でご紹介しています。
こころ歯科大和クリニックでは歯を削る場合エアタービンハンドピースとコントラアングルハンドピースの2種類を使用しています。また、被せものや詰め物、入れ歯などお口の外で使用するストレートハンドピースは今回割愛させていただきました。
それでは各ハンドピースの違いを見てみましょう。
・エアタービンハンドピース
圧縮した空気を送ることにより、ハンドピース先端部についているタービンの羽を30~40万回転/分で高速回転させて歯を削ります。歯のエナメル質や金属など硬いものを削るときに力を掛けず削ることができます。しかし、高回転のためタービンからはあの「キィィィィィーン」音が発生してしまいます。
先日、中のタービンカートリッジを交換する機会がありましたのでお見せしますね。
このようにハンドピース本体、タービンカートリッジ、裏蓋と単純構造に見えますが、このカートリッジに精密なベアリングと高速回転するフィンが組み込まれています。
また130℃以上の高温(滅菌処理)にも耐えうる耐久性も持ち合わせています。
カートリッジも使用環境にもよりますが、経年劣化で中のベアリングが摩耗したり破損したりします。そうなると回転させても軸ブレや異音または振動が大きくなったりして、患者様への不快感につながります。ブレが大きくなると切削にも支障が出てきますので、こころ歯科大和クリニックでは使用の都度大事にメンテナンスしています。
・コントラアングルハンドピース
エアハンドピースよりも低速回転で歯を削ります。トルクが強いため主に柔らかい虫歯を掻き出すように削ったり、研磨などに使用します。この時にあのゴリゴリ骨にまで響く振動が発生します。エアタービンと同じ圧縮空気で回転させるタイプと、モーターで回転させるタイプがあり、後者の方がより強いトルクを発生させることができます。
左がエアタービンハンドピース、右がコントラアングルハンドピースです。似たような形ですね。エアタービンハンドピースはコントラアングルハンドピースより高回転のため、摩擦熱も多く発生します。複数の小さな穴から水が噴射され冷やしながら削ります。コントラアングルハンドピースはトルク重視のため、ドリルの先につけるバーも太く丈夫なものを使用します。そのため穴も大きめになっています。
【当医院のドリルの消毒(滅菌)について】
こころ歯科大和クリニックではドリルの消毒に関して以下のような工程で、患者様ごとに取り換え院内感染防止対策を行っています。
①ケア3プラス
治療で使用済みとなったドリルはケア3プラスにより、配管内に残った唾液や血液を専用オイルで自動洗浄します。
②デンティスター
高温オイル消毒器(95℃)にて初期消毒を行います。ここで細菌や肝炎ウィルス、HIVウィルスが除去できます。
③オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)
さらにドリルごとにパックし、専用滅菌器で120℃以上の高温高圧消毒を行っています。
こころ歯科大和クリニックではこれらを患者様毎に行い、患者様にとっても医療スタッフにとっても安全な歯科医療を目指しています。
神奈川県大和市柳橋の歯医者 こころ歯科大和クリニック