歯ぐきに白いふくらみができたけど痛くない。根尖病巣の原因と対策
2017.05.16
院長です。
歯ぐきに小さく白いポチッとしたふくらみができたけど痛くもない。
でも、たまに少し膨らんで指で押したら潰れて白い液や血が出てきてまたそのうち膨らんでくる。
こんな症状がある場合は根の先にばい菌が溜まっている可能性が高いです。根の先にばい菌がたまるケースで一番多いのは、神経を取った歯がふたたび感染をおこしたり、虫歯が進行して中の神経に感染をおこすと、そのばい菌が根の先端(骨の中)でたまります。これを根尖病巣(こんせんびょうそう)といいます。
根の先でばい菌がたまるとそこで増殖をはじめます。ばい菌の勢力が大きくなってくると炎症が起き、その副産物として膿が外に排出されてきます。すると膿を外に排出しようとして骨に穴が開いてくるのです。しかし、骨の上には歯ぐきがありますのでその歯ぐきの下に膿がたまるのです。
これがポチッとなるふくらみ(専門用語でフィステル)です。いわば膿の排出口なのです。
膿は歯ぐきの下にたまるので、膿が沢山出ているときは大きく膨らみます。押したり何かの拍子に潰れると平らになりますが、何日かするとまた膨らんできます。これを繰り返します。
このような状況の時は、痛みや腫れを感じることは少ないので歯科健診で初めて指摘される場合もあります。あってもたまに疼いたりする程度ですが、通常自然治癒することはありません。末期は大きく腫れて痛みを伴い、状況によっては抜歯に至る場合もあります。
根尖病巣になってしまった場合の治療方法ですが、一般的には根管治療(こんかんちりょう)という処置を行って治療します。
あの細い針のような器具で歯の中を掃除するのです。
神経を取った跡の根管内はばい菌に汚染されています。それらを取り除かない限りばい菌は繁殖し続けます。
根管治療は神経を取った時と同じように根管内の汚染されている部位(壁面)を細い針(やすり)で掻き出して取り除きます。
ばい菌に汚染された層が無くなると炎症もなくなり、膿も止まります。膿の排出が無くなれば歯ぐきの膨らみも自然に消えてなくなります。
また、状況によっては外科的手術で歯ぐき側から穴をあけ、感染部分を取り除く場合もあります。
しかし、根尖病巣はばい菌の勢力が強いとなかなか治りが遅かったり、治らない場合もあります。治らない場合は抜歯になる確率が高くなります。
この病気は痛みなどの症状がないことがほとんどですので、気づかず慢性的に症状がかなり進む場合が多いのも特徴です。
歯ぐきに小さなふくらみを感じたり、その部位を外から指で押すと違和感があったり、白い液が出てきたりする場合は、早目に歯科での検診をお勧めします。
神奈川県大和市柳橋の歯医者 こころ歯科大和クリニックでは根尖病巣の治療を行っています。